山田記

頑張らないブログ

君の名は。感想(盛大にネタバレ)

先日、遅ればせながら『君の名は。』を見ました。

どうせほっとけば金曜ロードショーでやるだろうとか思っていたのですが、あまりにも大ヒット。あまりにも評判がいいので、イチャモンつけたろ新海誠がなんぼのもんじゃと見に行った次第でございますが。

いやー、ね...。

 

よ、良かったんだな、これが。

大変良かったです。

ハッピーエンドは世界を救う。新海誠の変化。

ハッキリ言って感動したとか、涙が出たというような事はなかったですが、シンプルに良かったなと思いました。

ファンタジーと大きな災害が物語の根幹になっているのですが、基本的にはハッピーエンドです。

極論を言えば見ている人からしたら「ハッピーエンドだから良かった」のだろうと僕は思っています。

 

さて、監督の新海誠氏について。

 

アニメ好きの観点から言えば、新海誠監督といえば『秒速5センチメートル』。

このアニメは、

恋しくて、切なくて、苦しくて、ハッピーって何ですか?

っていうのを凝縮して映像にしたらこうなったという作品なので、この監督の映像を見るときは最初から暗闇に片足突っ込んでるのと同じなんですよ。

 

だから『君の名は。』でも、ズドーンと落ちて絶望する中で解決しようとして足掻いて走って運命に反抗する主人公たちに、僕の中のリトルヤマダは「もう間に合わないよ。そういうエンドなんだよ。なんやかんや闇なんだよ。桜木町で君を探す日々なんだよ!」と思っていたわけですが。

まーハッピーでね。あー良かった。

つまり良かったのはこれかぁ、と。

そりゃハッピーエンドならね、人から感想聞かれて「良かったよ!」と答えるわなということです。

そういう意味で以前の作品を知っている身からすれば、監督の作風の変化があったというのはヒヤヒヤする要因でもありましたが、一言で言うと「安堵感」につながっているんじゃないか。

素敵な意味での変化だと僕は思います。

災害の扱われ方。

もう一つはこの作品に登場する「災害」について。

これは明らかに「東日本大震災」を示唆していると僕は思います。そうでなかったとしても、熊本の地震や、台風や、津波や、火山の噴火など、大きな括りでの日本の災害そのものでしょう。

日本という島国では、災害なら天災が圧倒的にイメージが強い。

毎年いや毎月、もっといえば1週間に1回くらいは日本のどこかで何かの災害が起こっていて、そこには悲しいニュースがある。

これはテレビやネットが普及して、みーんなの心の奥底に張り付いて拭えないものです。

それを題材にとって、郷土感あふれる集落全体の絶望をひっくり返して最終的には登場人物全員ひっくるめて幸せにする...

 

これで良い作品と話題にならない訳がない、と僕は思いました。

当然結果論なんでしょうけど、そういう意味でのメッセージ性を強く感じたので、日本の歴史的な興行収入を叩き出すほどの人気はこの辺りが実は1番大きな理由なのではないかなぁと。

少なくとも僕には東北の地震の映像、写真、実際に行った場面の記憶と、映画の中での画は重なりました。構図は全く違うけど。

映画を見た人はそういう、なんというか、記憶をサブリミナル的にどこかで思い出して、現実とは違うフィクションにフィードバックして救われたという気持ちに大なり小なりなったのではないでしょうか。

僕はこの映画最大のヒット要因はここだと思います。

悔しい。

実は10月くらいに「シンゴジラナイト」というエロゲ作家主催各種文化人登壇のオールナイト討論トークショーに行きまして、その時の話題に「シンゴジラvs君の名は。」というのがあったんです。

政治方面に話が飛んだり、他にも映画を取り上げ、タブーに対しても果敢にアドベンチャーを仕掛けながら、それぞれが題材の映画をオタク的に文化的に見るとどうやねん?という非常に面白いイベントだったんですけど、その中の一人が「悔しい」と。

 

新海誠がハッピーエンド?

商魂出しよった

何を消費者に媚びを売るか、と。

 

いやこれはね、非常によくわかりますよ。

だって新海誠ですもんね。ガラスのハートを切なさ爆弾でぶっ壊す事が生き甲斐じゃないかこのドS!って事ですもんね。雪、星、差出人が実はいないメール!ですもんね。

僕も映画を見るまでは、いや見ても正直、若干同じような感想でした。

 

でも、今になって、僕は思います。

ハッピーエンドで、誰か傷つきますか?

悲しみで頬を濡らす人がいますか?

いいんです。これでいいんです。

「みつは」って名前が覚えづらい?体をとられたタキきゅんが一番可愛い?

そんな事はいいんです。

ハッピーである、それでいいんだと思います。

 

仕事って、人を笑顔にする事ですもん。

今後も新海大先生には、たくさんの人を笑顔にするような作品を作って欲しいと思います。

 

ふー、ちゃんと文章上はいい人で終わった、俺。良かった。

 

応援ありがとうございました!

新海先生の次回作にご期待ください!